調査会社が遭遇した役員による使い込みで事件  税理士、会計士監査は簡単に突破されていた。

「調査会社が遭遇した」役員による使い込みで事件
税理士、会計士監査は簡単に突破されていた。

ある企業様から「役員の様子がおかしい」との相談を受けました。
聞けば男性の役員のおかしな噂を聞いたというのです。「毎晩派手に飲みに行っている。」
「交遊関係に怪しい人物がいる」などと言うものでした。企業側は「単なるうわさ話」程度と無視していたようです。
しかし、後日、役員の担当取引先を調べて見たら「不自然な取引が確認された。」と言うのです。監査が定期的に行われているので、その様な事は監査役や税理士がチェックしているはずないとの声が社内出ており、「真相を明らかにして欲しい」と強い意向を受けて調査を開始いたしました。その企業さまは、弊社(探偵エコワーク)(※探偵エコワークではリスクマネージメントや経営コンサルタントとして顧問制度を行っております。探偵社では異例だと思われますが、証拠収集は探偵の仕事であり、事実が見えれば原因も見えてくる為、複数の顧問先を保有しています。)の顧問先であり、かつては経営の立て直しなどのコンサルティングをご提供しておりました。嘗て企業様は、経営危機に陥り、それを乗り超え順風満帆の状態だっただけに、もし不正が事実ならば、由々しき問題です。

時系列表を作成し比較対象を設けると事実が浮き彫りになる。

早速、調査を実施いたしました。調査対象者役員が担当している購買先や営業先の実態調査から進めていきました。企業様の売り上げが100億円単位なので、調査先企業の数多大であります。しかし根拠よく、1社1社丁寧に調査を進めていきます。取引開始年月日と金額を時系列表にし、更に同じような仕事を担当している役員に対しても同様に時系列表と金額表を作成します。これは調査対象役員と同様の仕事をしている人物の内容と対象者役員の内容を、見比べれば違いが発見できると考えたからなのです。この方法は嘗、弊社(探偵エコワーク)が、スティール・パートナーズ事案を経験し、その中で彼らが使っていた手法から学んだのです。スティール・パートナーズほどの企業でも他業務の経営内容を把握する事は難しので他社と比較する手法を使っていたのです。この手法は一見原始的でありふれた手法のようですが、様々場面で活用できます。分析が完了うれば、大変分かりやすく「見える化」できるのです。弊社(探偵エコワーク)では、様々な場面でこの手法を活用しています。比較したことで手掛かりも取引先を発見する事ができました。

比較できれば後の作業は容易に進みます。
後はその法人(怪しい得意先)の「株主調査」を行い「株主」と「経営者の人物調査」を行っていきます。一般的に背任横領は単独で行わないのが通例です。案の定、怪しい取引先と対象者役員が画策している事実が判明しました。(詳しい内容や横領方法はセキュリティーの為に申し上げられません。すいません)いつも感じる事ですが、悪意ある人物が意図的に悪事を計画実行している場合、税理士や会計士の監査は、なんの役にも立たないと言う事です。話がずれますが、以前経験した事案で、小さな企業の事案で、税理士さんが企業の言いなりになり、粉飾している場面に遭遇した事もあります。税理士さんは長年のお付き合いから、粉飾を断りきれなったと証言していた事が記憶に強く残っています。また、弊社(探偵エコワーク)事案ではありませんが、企業が破産を行う際に裁判所から任命された「管財人弁護士」が行う監査にも限界があり監査しきれな無い部分があり管財人は「放棄」しているという話を聞いた事もあります。これらのケースに共通している部分は、「実態調査を行なっていない」ことです。ハイスペックな監査人ほど、机上だけで「チェック」で済ませている事です。現場の実態が調査できなければ、真意を見つける事はできません。

役員会株主総会を経て初めて事件処理が完了する。
企業様には、背任横領の事実を報告させてさ頂き、更に警察検察庁に提出できる調査報告書をご提出させて頂きました。そして、我々も役員会に同席させて頂き、対象者役員が処分される場面も見させて頂きました。また、後日の、臨時株主総会総会にも主席させて頂き、その場でも、調査内容を説明いたしました。この企業さまは同族経営ですが、ここまでの行うものは珍しいのでは無いでしょうか。とは言え正しい形に落ち着いたと思います。企業内の不祥事は後を経ち後を断ちません。また一旦発生すると面倒な事ばかりです。しかし、これを放置すると更に面倒な事が発生するようです。この事例はまたの機会にお話しいたします。

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